肥満症治療薬「ウゴービ」について
最近、お問い合わせが増えているお薬で、肥満症治療薬「ウゴービ」があります。
ダイエットをしたいという理由で、処方を希望される方が多いのですが、『肥満症治療薬の安全・適正使用に関するステートメント(2023年11月25日策定)』によると、本剤は美容・痩身・ダイエットなどの目的で処方すべきお薬ではないとされています。その理由について解説していきます。
※当院では、保険診療・自費診療共に「ウゴービ」の処方はできませんので、あらかじめご了承ください。
「ウゴービ」は保険適用の肥満症治療薬で、2023年3月に厚生労働省から承認されました。
本剤が適応となる疾患は「肥満症」
この肥満症、実はみなさんが想像されている「肥満(BMI 25kg/m2 以上)」とは違います。
「肥満症」とは、「肥満」に加え、減量によりその予防や病態改善が期待できる、以下の11の健康障害のいずれかを伴うものとされており、単に太っている(肥満)というものではありません。
【健康障害】
①耐糖能障害(2 型糖尿病・耐糖能異常など)、➁脂質異常症、③高血圧、④高尿酸血症・痛風、
⑤冠動脈疾患、⑥脳梗塞・一過性脳虚血発作、⑦非アルコール性脂肪性肝疾患、⑧月経異常・女性不妊、
⑨閉塞性睡眠時無呼吸症候群・肥満低換気症候群、⑩運動器疾患(変形性関節症:膝関節・股関節・手指関節、変形性脊椎症)、⑪肥満関連腎臓病
また、上記以外にも本剤を処方するには制約があり、実際に処方できるのは、大学病院や地域の総合病院くらいに限られます。
上記のとおり、「ウゴービ」は痩せたい人が誰でも服用できるお薬ではないのですが、肥満症を予防することは非常に大切です。
健康に自信のある方も、食事、適度な運動など、日々の生活習慣を今一度見直してみましょう!
血糖値、コレステロール、血圧が高いなどの生活習慣病になると、自覚症状がないまま、血管が徐々に傷んでいきます。そして、ある日突然、脳卒中など命に関わる重大な病気を引き起こすことになるかもしれません。
生活習慣病の方は、健常人より血管の傷み(動脈硬化)が進んでいる可能性があります。
当院は生活習慣病の治療に力を入れておりますので、気になることがあればお気軽にご相談ください。
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