胸やけについて
胸やけとは、みぞおちから胸骨の下あたりの食道が締め付けられたり、チリチリと焼けつくように感じられる症状です。それでは、どのような原因が考えられるのでしょうか。
・日常生活から考えられる原因について
日常生活から考えられる原因としては、①食べすぎ飲みすぎ、刺激の強い食べ物やアルコールの摂取、②加齢による筋力の低下や肥満による胃酸の逆流が多くなる事、③かがんだり、寝ころぶ姿勢が続き胃酸の逆流が多くなる事、④ストレスによる自律神経の乱れにより胃酸の量が多くなり食道に逆流が多くなる事などが考えられます。
・胸やけをともなう疾患・症状について
次に胸やけを伴う病気がどのようなものがあるかが気になってくると思います。原因の病気として①逆流性食道炎、②慢性胃炎、③胃潰瘍、④十二指腸潰瘍、⑤胃がん、⑥食道がんなどがあります。
①逆流性食道炎
暴飲暴食の習慣や加齢、肥満などが原因で胃酸が逆流しやすくなった状態です。胸やけをはじめ、のどや胸のつかえが起こります。胸やけは、とくに食後に起こりやすくなります。肥満傾向にある人や、腰が曲がり背中が丸くなったお年寄りに多くみられます。
②慢性胃炎、③胃潰瘍
主にピロリ菌、慢性的なストレスや食べすぎ飲みすぎにより、胃の粘膜が弱まり、炎症が繰り返されて治りにくくなっている状態や、非ステロイド性消炎鎮痛剤、ステロイド薬などが胃粘膜に傷をつけて起こる事もあります。突然胃痛や吐き気が起こり、多くは胸やけや胃痛、胃もたれ、膨満感、吐き気、げっぷなどの症状が慢性的に繰り返されると胃潰瘍に進行することもあります。
④十二指腸潰瘍
ピロリ菌やストレス、非ステロイド性消炎鎮痛剤、ステロイド薬などが粘膜に傷をつけ、さらに消化作用を持つ胃酸・消化酵素が十二指腸の粘膜や壁を消化することにより起こります。
⑤胃がん、⑥食道がん
食道がんは喫煙や飲酒が主な原因と考えられており、胃がんは喫煙や食生活、ヘリコバクターピロリ菌の感染が原因になりうるとされています。早期には症状が出ることが少なく進行しても症状が出ないこともありますが、みぞおちの痛みや不快感、食道がんの場合は飲み込みづらさなどの症状が続く時には注意が必要です。
・受診の目安
胸やけが続く、食欲がなく体重が減っている、そのほかの症状が続くような時には一度受診してみましょう。
一度も胃カメラ、胃のバリウム検査などを行っていない方は、検査の受診を検討してみてください。
消化器内科|大川医院 春日部 (ookawa-clinic.com)