睡眠時無呼吸症候群(SAS)
睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome)とは
眠っている間に呼吸が止まる病気で、SAS(サス:Sleep Apnea Syndromeの頭文字)とも言われています。
この中でも、最もよく見られる閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は、眠っている間に息の通り道である気道が閉塞してしまうことにより、呼吸が止まります。
肥満、加齢、男性などが重要な発症関連要因として挙げられており、高血圧や糖尿病などの生活習慣病との関連も言われております。特に高血圧に関しては、OSAの約50%に高血圧が、高血圧患者様の約30%にOSAの合併がみられます。中でも、治療抵抗性高血圧(3剤の異なるタイプの降圧薬を用いても血圧が目標値まで下がらない高血圧)や夜間早朝高血圧では、OSAの合併に注意が必要です。
SASの症状
自覚症状がないこともあり、診断を受けられていない方も相当数おられると思いますが、
気になる症状のある方はお気軽にご相談ください。
- いびきをかく
- 睡眠中に呼吸がとまる
- 夜の睡眠中によく目が覚める(息苦しさで目が覚めることもあります)
- 起きた時に、頭痛、体がだるい、熟眠感がない
- 日中の過度な眠気 など
6つの項目でSASリスクをチェックしてみましょう
今何も症状がないと思っていても、将来的なリスクを知っておくことが重要です。
簡単なチェックであなたが睡眠時無呼吸症候群のリスクがあるか判定します。
※睡眠時無呼吸症候群(SAS)を診断するものではありません。気になる症状がある場合には当院までご相談ください。
診断の流れ
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- 1. 問診
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具体的な症状や過去の病歴などについて簡単に質問します。
SASの症状は睡眠中に起きており、患者様の多くは自ら自覚していないケースがほとんどのため、ご家族等から指摘を受けたことのある方、ご不安な方は、お気軽にご相談ください。- 問診項目
- いびき、無呼吸、昼間の眠気の程度
- SASの原因疾患、合併症
- 飲酒歴、頭痛の有無、起床時の爽快感、睡眠時間と睡眠時のトイレ回数、喫煙歴、常用薬の有無
- 現在の職業の内容
※OSAの最大の危険因子は肥満です。また、OSAの方の約50%に高血圧が合併しています。
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- 2.アプノモニター(簡易検査)
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※ご自宅で手軽にいびきや無呼吸を検査できます。
※検査結果によっては、精密検査(入院)が必要な場合がございます。
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- 3.睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診断
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AHI(無呼吸低呼吸指数:睡眠1時間あたりの無呼吸と低呼吸の合計回数)が5以上であれば、SASと診断されます。
- AHIによるSAS重症度
AHI:15~30 ⇒中等症
AHI:30以上 ⇒重症
※重症度によって治療法は変わりますが、一般的にはAHIが20以上の場合、鼻マスクによる持続陽圧呼吸(CPAP)療法の適応になります。
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- 4. 検査の結果、CPAP療法の適応が認められた場合、CPAP療法を開始します。
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CPAP療法は、現在欧米および日本国内で最も普及している治療法です。鼻に装着したマスクから送り込まれた空気の圧により、睡眠中に空気の通り道である気道が閉塞されるのを防ぎ、呼吸がスムーズにできるようになります。